大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(う)627号 判決

弁護人の控訴趣意第一点は原判決には判決に理由を附せず又は理由にくいちがいがあると主張するものであるが、原判決挙示の証拠中被告人の大蔵事務官に対する質問顛末書被告人の検察官事務取扱検察事務官に対する第二回供述調書中の各供述記載並に被告人の原審公判廷における供述によれば、被告人の判示密造にかゝる各酒類の数量が夫々原判決判示の如くであることはこれを認めるに足りるところである。この点につき被告人の自白が唯一の証拠たるの観を呈しているけれども、凡そ犯罪事実の証明が単に被告人の自白だけをもつては足らず、必ず補強証拠を要するとの原則は、公訴事実のすべてに亘つてこれを要するとなすものではないのであつて、本件の如き密造にかかる酒類の単なる数量の如きものについては、これを認定するに被告人の自白だけをもつてしても違法と目することはできない。

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